これまで家族と一緒に生活していた時は気づかなかったけれど、独り暮らしでの電気料金が予想以上に高いと感じたことはありませんか?
独り暮らしの際に感じる電気料金の高さの原因
今回は、独り暮らしの際に感じる電気料金の高さの原因と、どのようにして節約できるかについて掘り下げてみました。独り暮らしの電気料金の平均はどのくらいでしょうか? もし、あなたが支払っている電気料金が高いと感じている場合でも、それが一般的な範囲内である可能性があります。
ここで、独り暮らしの電気料金の平均値を見てみましょう。
年度 | 独り暮らしの電気料金の月平均 |
---|---|
2019年度 | 5700円 |
2020年度 | 5791円 |
2021年度 | 5482円 |
2022年度 | 6808円 |
これは、総務省が発表した年度別の独り暮らしの電気料金の月平均を示しています。
2019年度は平均5700円でしたが、2021年度には5482円と約200円下がりました。しかし、2022年度には6808円と大幅に上昇し、前年度比で約1300円の増加となりました。これは前々年度比で20%以上の上昇を意味します。
近年の電気料金の上昇の背景
あなたが支払った電気料金と独り暮らしの平均を比較してみてどうでしたか?
多くの人がそれほど違いがないことに安心したかもしれませんが、それでもなぜ最近の電気料金が高騰しているのか疑問に思う人もいるでしょう。
ここでは、最近の電気料金が上昇している主な理由を簡単に説明します。
燃料費の高騰が影響
主な理由の一つは、化石燃料の価格が電気料金に直接的な影響を及ぼしていることです。
過去2年間で、石油や天然ガスは5倍以上、石炭は8倍以上の価格上昇を見せました。これには、国際情勢の不安定さや円安が急速に進んでいることなどが背景にあります。
再生可能エネルギー賦課金の増加
電気料金の上昇のもう一つの原因は、再生可能エネルギー賦課金の値上げです。
これは、FIT制度に基づく再生可能エネルギーの買取り費用を電気料金に上乗せする仕組みです。この買取費用は毎年変動し、その年の発電量やコストに基づいて決定されます。
2012年に制度が開始された時の再生可能エネルギー賦課金は0.22円/kWhでしたが、再生可能エネルギーの導入が進むにつれて、2022年度には3.45円/kWhまで増加しました。これは約15倍の増加を意味します。
一人暮らしでもおかしい電気代になる理由
ここまで一人暮らしにおける月平均の電気代料金と電気代が高騰している理由について説明してきましたが、やはり自分の電気代は何かおかしいと感じる人もいるでしょう。
なのでどうしてあなたの電気代がおかしいことになっているのか、その原因をここで探っていきましょう!
契約アンペア数が必要以上に高い
一人暮らしの電気代が高くなる原因として、あなたが契約しているアンペア数が適切ではないかもしれません。
このアンペア数は電気の使用量に応じて変更できるもので、数値が大きいほど基本料金も高くなります。
一人暮らしの場合同時に使う電化製品の種類や台数が少ないので、必要以上に高い契約アンペア数を選ばなくても大丈夫です。
一度にたくさんの電気を使わなければブレーカーが落ちてしまうリスクはほとんどないので、契約しているアンペア数を下げることで基本料金を大幅に削減できます。
家にいる時間が長い
家にいる時間が長いのも電気代の高騰する1つの原因です。
テレワークなどで昼間に家にいる時間が増えると、照明やパソコン、空調などの電気製品を使う機会が多くなります。
これらの電気製品は消費電力が大きいため電気代に大きく影響します。
また夜更かしをする人も電気代が高くなりやすいです。
特に時間帯によって料金が変わるプランを契約している人は、お昼の間や夜中などで電気の単価が大きく異なります。
高い単価の時間帯で電気を使っていると、平均的な電気代よりも高くなってしまいます。
住んでいる部屋数が多い
今住んでいる物件の部屋数が多いと、一人暮らしでも電気代が高くなります。
なぜなら広い部屋や多い部屋には、空調設備や照明が必要となり電化製品の数も増えるからです。
たとえ使っていないとしても、コンセントに電化製品をつなげば待機電力がかかっているのでその点は注意しましょう。
家庭での電気製品の選択と使用方法に注意を払うことは、
電気料金を節約する上で非常に重要です。
特に、エアコンや冷蔵庫、洗濯機といった日常的に使用する電力消費が高い製品が、家計における電気代の大部分を占めています。
これらの製品をより効率的に使用することは、
節電と経済的な節約への重要な一歩となるのです。
エアコンに関しては、室温を1度上げるだけで消費電力が
約10%削減されると言われています。
そのため、夏場はなるべく28度程度に設定し、
適度に扇風機を併用することで快適さを保ちつつ節電につながります。
冷蔵庫については、扉の開閉を極力少なくし、冷やし過ぎないよう温度設定にも注意が必要です。
季節の変わり目では電気使用量に変動
また、季節の変わり目では特に電気使用量に大きな変動が見られます。
夏には冷房、冬には暖房を使用することで、
電気代が急激に増加する傾向にあります。
これを抑えるためには、断熱性能の向上や、適切な衣類の選択などによる省エネ対策が効果的です。さらに、漏電は電気代の無駄遣いだけでなく、
家の安全にも関わる大きな問題です。
古くなった配線や不具合のある電気製品は、漏電の原因となり得るため、
定期的な点検や早めの修理・交換が必要です。
電気料金が異常に高い、または電気設備から異音や異臭がする場合は、
無視せずに速やかに専門家に相談し、適切な対策を講じることが重要です。
これにより、無駄な電気料金の支出を防ぎ、さらには家庭の安全を
守ることにもつながります。
電力契約の見直し
電力契約のアンペア数を調整することは、電気料金を抑える効果的な手段です。電力供給会社によっては、契約する電力容量に応じて基本料金が変動します。例を挙げると、ある地域の電力会社では、アンペア数を40Aから30Aにすることで、毎月約300円、20Aにすると約600円の電気料金を減らすことが可能です。ただし、アンペア数を適切に設定しなければ、頻繁にブレーカーが落ちるリスクもありますので注意が必要です。また、契約変更後は1年間は変更できない場合が多いため、慎重に検討する必要があります。変更を検討する際には、使用する電気製品の種類とその使用頻度を把握することが大切です。
省エネ製品の活用
環境省のデータによると、電化製品の省エネ性能は年々向上しており、特定の製品では消費電力量を大幅に削減できることが示されています。例えば、最近の冷蔵庫は10年前のモデルと比較して消費電力を約40〜47%削減でき、エアコンやテレビも同様に電力消費を抑えることができます。新しい家電製品への投資は初期費用がかかるかもしれませんが、自治体によっては省エネ製品購入のための補助金制度が用意されている場合があるため、利用可能かどうかを調べると良いでしょう。
電力会社の選択
電力会社を見直し、切り替えることも電気料金を節約する一つの方法です。近年、ほとんどの電力会社が料金を引き上げており、特に一人暮らしの場合、月々の電気料金の増加が負担になっている人も多いです。実際、ある電力会社では料金が最大で46%も上昇しています。このような状況では、市場に新しく参入した電力会社への切り替えがお勧めです。新規参入の電力会社は、従来の電力会社に比べて低価格のプランを提供していることが多く、切り替えることで月々の電気料金を節約できる可能性があります。電気料金の高騰に悩んでいる場合は、新電力会社への切り替えを検討してみる価値があるでしょう。
遮光カーテンの利用
節電対策として、遮光カーテンの採用を検討することが有効です。
これらのカーテンは、外部からの熱を遮断するために特別な素材を使用して製造されています。
寒い季節には室内の暖かさを保持し、夏期には太陽の熱を反射して室温を抑える効果があります。
カーテンの変更が大きな違いを生むとは思えないかもしれませんが、夏季の冷房運転中に窓からの熱の侵入が全体の73%を占め、冬季の暖房時には窓からの熱の損失が全体の58%に達するという調査結果が示されています。
そのため、遮光カーテンを使用することで、窓からの熱の流れを効果的に管理し、電気代の節約につながります。
一人暮らしの電気代に関する課題と節約策の概要
本稿では、一人暮らしの電気代が高額になる原因と、その節約策を紹介しました。
電気代は毎月発生する固定費なので、異常に高い場合は迅速に原因を特定し、改善策を講じることが求められます。
この内容を基に、電気代が高騰する背景を理解し、適切な節約方法を見つけてください。